企画発想からの発明
発明家が、アイデアを効果的に売り込もうということで、連載を始めて2年半が過ぎました。最近、会員の皆さんの売り込みや成功の報告を耳にして、本当にうれしく思います。ここまでの内容で、一個人発明家が、自分の発明の良さを認識して、それを極力主張するための企画書利用のテクニックや知識はお伝えできたと思います。ただ、実際に使わないというのでは、宝の持ち腐れになってしまいますから、今からでも実行・実践してもらいたいのです。
●実行・実践のすすめ
特許の出願書類や企画書にしても、日頃から書き慣れることが大切になります。例えば、単語一つとっても、物事を書類として表現していなくては言葉が出てきません。そこには、日頃の練習なり実行の中での経験がものをいうのです。
企画書として、もっと気を使うのが、アイデアを説明するためのストーリー展開です。企画書を作成するときのコツとして、背景や問題点、商品説明、メリット、付加価値の説明と、流れをいかに自然にし、かつインパクトを持たせて読み手を納得させるかということがあげられます。全体の中で、バランスを見極めて、起伏を持った構成にまとめあげるためにも、やはり日頃の実行・実践が必要になるのです。
●企画書作成トレーニングをしよう
発明はなくてもできるトレーニング方法を覚えて、練習してみてください。簡単な方法としては、商品リメークによる企画トレーニングがあげられます。リメーク商品とは、一度商品として販売したものを、売り方を変えることでイメージチェンジをして売り上げを伸ばそうというものです。
この際、企画というものが最大限に力を発揮します。ネーミング・パッケージ・梱包・時代ニーズへの対応等、その変更によっては突然ヒット商品へ早変わりするのです。ココアのバンホーテンやカルピスウォーター、靴下の通勤快足など、リメークによってヒット商品になった事例は数多くあります。これにぜひチャレンジしてほしいのです。もちろん、仮想的なもので構いません。その経験が後に生きるのです。ぜひトライしてください。