北海道の豊浦町は有数のホタテの産地。ここで水揚げされて、缶詰や貝柱に加工される。ところがその廃棄物の貝殻は、野積みのまま放置され、悪臭を発生して地元の大きな環境問題になっているのである。
「廃棄物として捨てるだけではなく、リサイクルできないか」と取り組んだのがホタテ食品加工会社を経営する会員の高柳さん。3年間の研究開発が実り、このほどようやく砂状に粉砕する方法を完成させた。
高柳さんは、ホタテの貝殻をこねながら粉砕する装置を作り、粉砕する際に危険な角を摩耗させることに成功。これで、1〜5ミリの粒子にし、焼成して無臭無害の砂にして実用化に結び付けたという。
透水性が良い道路舗装用骨材、競馬場パドックやゴルフ場バンカーの砂など、実用化実験が進んでいる。水性塗料で着色する方法も完成させ、装飾園芸用や画材など多方面に利用が期待される。
アイデア次第で利用方法が広がりそうな、まさに「夢の砂」。皆さんも、この「夢の砂」の新用途を工夫してみてはいかが?