本誌でもたびたび登場しているが、約2年前に商品化されたジャガイモや人参などの「野菜の皮むき具」は、今や年間に10数万個売れるヒット商品。この商品を発明した高橋さんは、ユニークな発明品を携えて TV にたびたび出演しているのでお茶の間で人気者である。

高橋さんは、元々、地味で恥ずかしがり屋、口ベタの性格で、職を何度も転々としてきた。自分で料理することが好きで、調理道具を工夫し発明を楽しんできたという。

今では、発明が生きがいになり、発明学会会員として80点もの発明、40件の特許出願をしてきた。現在では、各地の日曜発明学校に講演に呼ばれ、大学から講演依頼もくるほどのタレント力を発揮している。

渋皮も一緒に剥ける栗の皮剥き具
そんな高橋さんの発明が、また商品化された。高橋さんは生栗の固い殻を剥いてさらに渋皮を剥くのに誰もが苦労している点に目をつけ、「栗の皮むき具」を開発。V字に開いた片方はギザギザの刃で、反対側は普通の刃というのが特徴。この2枚の刃で栗を挟むと、ギザギザ刃が栗の皮に食い込んで押さえ、反対側の刃で渋皮まで一挙に剥いてしまうのである。

この発明は、完成と同時に契約金10万円、ロイヤリティは出願中が1,5%、権利確定後は3%で契約。「発明の世界に入って本当によかった」と、高橋さんはしみじみと充実感を噛みしめている。